"デザインシステムの構築・運用を体系的に行うスキル。ドキュメント(要件定義・ブランドガイドライン)からDesign Tokens・コンポーネント体系・ガバナンスまでを一貫して設計する。思考フレームワーク(Double Diamond・Atomic Design・Design Tokens 3層)の適用、暗黙的デザイン判断の形式知化(DDR/QOC/RFC)、UIインベントリ収集(手動+MCP自動化)を統合する。Use when: 「デザインシステムを構築して」「デザインシステムを設計して」「デザイントークンを定義して」「デザイン原則を策定して」「UIインベントリを作って」「デザインガバナンスを設計して」「デザイン判断を記録して」と言われた時。"
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Design System Builder
デザインシステムの構築・運用を体系的に行う。Double Diamondの発散→収束モデルで進行し、各フェーズの成果物を契約として管理する。
ワークフロー概要
Phase 1: 発見(Discover) → UIインベントリ、課題洗い出し
→ Phase 2: 定義(Define) → 設計原則、判断基準の収束
→ Phase 3: 基盤設計(Develop) → Design Tokens、Foundation定義
→ Phase 4: コンポーネント構築(Deliver) → Atomic Design構造化
→ Phase 5: 採用・移行(Adopt) → 段階リリース、既存UIの移行
→ Phase 6: 運用(Operate) → ガバナンス、継続改善Phase 1: 発見(Discover)
目的: 現状の設計資産と課題を発散的に収集する。
Entry Criteria
- デザインシステム構築の意思決定がある
- 対象プロダクト・スコープが特定されている
Step 1.1: UIインベントリ(棚卸し)
既存UIの全要素をスクリーンショット+CSSプロパティで収集・分類する。
手動アプローチ:
- 対象画面リストを作成(routes/sitemap/主要ユーザーフロー)
- 各画面のUI要素をスクリーンショットで記録
- ボタン、フォーム、ナビゲーション、モーダル等をカテゴリ別に分類
- 不一致(同じ目的の要素が異なるスタイル)をマーク
自動化アプローチ(MCP連携):
Playwright MCP + Chrome DevTools MCP で定量的に収集可能。
自動収集を使う場合に参照 → references/ui-inventory.md
Step 1.2: 入力ドキュメントの分解
要件定義・ブランドガイドラインを3カテゴリに分離:
| カテゴリ | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 事実 | 変更不可の制約 | ブランドカラー #003366、フォント Noto Sans |
| 制約 | 技術的・ビジネス的制限 | WCAG 2.1 AA必須、iOS/Android両対応 |
| 解釈 | チームの判断が必要 | 「親しみやすい」トーンの具体化 |
Step 1.3: 組織横断的な課題収集
デザイナー・エンジニア・PM・マーケティング等から課題を収集する:
- どこでデザインの不一致が発生しているか
- どのUIパターンが頻繁に作り直されているか
- チーム間のコミュニケーション上の齟齬
Exit Criteria / 成果物
ui-inventory.json— UI要素の棚卸し結果design-brief.md— 対象・スコープ・制約・課題の要約
Phase 2: 定義(Define)
目的: 発散した情報を収束させ、判断基準を確立する。
Entry Criteria
- UIインベントリが完了している
- 主要な課題が特定されている
Step 2.1: 設計判断カードの作成
暗黙のデザイン判断を形式知化する:
カード名: [判断の名前]
意図: なぜこの判断をしたか
適用条件: いつ使うか
禁止条件: いつ使わないか
例外: 例外的に許容するケース
根拠: エビデンス(ユーザーテスト結果、a11y基準等)Step 2.2: デザイン原則の収束
3〜5個のデザイン原則に収束させる。衝突時の優先順位を明示する。
例:
1. アクセシビリティ > 美しさ
2. 一貫性 > 個別最適
3. シンプルさ > 機能の網羅性Step 2.3: Design Decision Record(DDR)の運用開始
設計判断を記録するプロセスを確立する。
DDRの書き方・QOC・RFC運用が必要な場合に参照 → references/design-decision-records.md
Exit Criteria / 成果物
design-principles.md— 優先順位付きデザイン原則decision-log/DDR-NNN.md— DDRファイル(DDRテンプレートに準拠)
Phase 3: 基盤設計(Develop)
目的: Design Tokensと基盤要素を定義する。
Entry Criteria
- デザイン原則が確定している
- カラー・タイポグラフィの入力ドキュメントがある
Step 3.1: Design Tokens 3層アーキテクチャ
Layer 1: Global Tokens(基盤)
色の生値、フォントサイズの生値
例: blue-500: #3B82F6, font-size-16: 16px
Layer 2: Semantic Tokens(意味)
意図を表現するエイリアス
例: color-primary: {blue-500}, text-body: {font-size-16}
Layer 3: Component Tokens
コンポーネント固有のバインディング
例: button-bg-primary: {color-primary}原則: コンポーネントはLayer 3のみ参照する。Layer 1の直参照は禁止。
Step 3.2: Foundation定義
| 要素 | 定義内容 | トークン例 |
|---|---|---|
| カラー | Primary/Secondary/Semantic + 明度スケール(50-950) | color-primary-500 |
| タイポグラフィ | フォント、サイズスケール、行間、ウェイト | font-size-lg |
| スペーシング | 4px/8pxベースのスケール | space-4: 16px |
| エレベーション | シャドウ、レイヤリング | shadow-md |
| ボーダーラディウス | 角丸スケール | radius-md: 8px |
| モーション | デュレーション、イージング | duration-fast: 150ms |
| ブレークポイント | レスポンシブ基準 | breakpoint-md: 768px |
Step 3.3: トークンファイルの出力
W3C Design Tokens Format(2025.10安定版)に準拠した tokens.json を生成する。
フレームワーク間の関係性やW3C DTCG仕様の詳細が必要な場合に参照 → references/thinking-frameworks.md
Exit Criteria / 成果物
tokens.json— W3C DTCG準拠のDesign Tokensファイルfoundation-spec.md— Foundation定義書
Phase 4: コンポーネント構築(Deliver)
目的: Atomic Design階層でコンポーネント体系を構築する。
Entry Criteria
- Design Tokensが定義済み
- Foundation仕様が確定している
Step 4.1: コンポーネント階層の設計
| 階層 | 定義 | 具体例 |
|---|---|---|
| Atoms | 最小UI要素 | Button, Input, Icon, Badge |
| Molecules | Atomsの組み合わせ | SearchBar, FormField, NavItem |
| Organisms | Moleculesの複合体 | Header, Sidebar, DataTable |
| Templates | ページ構造 | DashboardLayout, AuthLayout |
| Pages | 実コンテンツを含む完成形 | DashboardPage, LoginPage |
Step 4.2: コンポーネント仕様書
各コンポーネントに以下を定義する:
- 名前(PascalCase)、説明(1文)
- Props(型・デフォルト値・必須/任意)
- 状態(Idle/Hover/Active/Focused/Disabled/Loading/Error)
- バリアント(size, variant)
- アクセシビリティ要件(ARIA属性、キーボード操作)
- 使用するDesign Tokens
Step 4.3: Doneness Matrix
コンポーネントの完成度を軸ごとに管理:
| 軸 | チェック項目 |
|---|---|
| デザイン | Figmaコンポーネント作成、バリアント定義 |
| コード | 実装完了、ユニットテスト通過 |
| ドキュメント | 使用ガイドライン、Do/Don't |
| アクセシビリティ | WAI-ARIA準拠、キーボード操作対応 |
| レビュー | デザインレビュー、コードレビュー完了 |
Exit Criteria / 成果物
component-spec.md— コンポーネント仕様書- Doneness Matrixのスコアが全軸で基準を満たす
Phase 5: 採用・移行(Adopt)
目的: デザインシステムを組織に段階的に展開する。
Entry Criteria
- 最低限のFoundation + 主要コンポーネントが完成している
Step 5.1: 段階リリース
| ステージ | 基準 | 対象 |
|---|---|---|
| Alpha | 方針実証、フィードバック収集 | 1チームのみ |
| Beta | プロダクション利用可能な品質 | 早期採用チーム |
| GA | 全機能が安定 | 全チーム |
Step 5.2: 既存UIの移行計画
- 優先順位付け: 高頻度画面・高不一致画面から着手
- 互換レイヤの設計: 旧スタイルとの共存期間を定義
- 非推奨(deprecate)期限の設定: 旧コンポーネントの廃止日を明示
- 移行ガイドの提供: Before/Afterの対応表
Step 5.3: 教育・オンボーディング
- チーム向けワークショップ
- 「いつ・どのコンポーネントを使うか」のクイックリファレンス
- 例外申請プロセスの周知
Exit Criteria / 成果物
migration-plan.md— 移行計画書(優先順位、互換レイヤ、deprecate期限)adoption-metrics.json— 採用率KPI(採用率、一貫性違反、例外申請数、修正リードタイムを含む)
Phase 6: 運用(Operate)
目的: デザインシステムを継続的に維持・改善する。
Entry Criteria
- GA リリース済み
Step 6.1: ガバナンスモデルの選択
| モデル | 特徴 | 適する組織 |
|---|---|---|
| 中央集権型 | 専任チームが全管理 | 小〜中規模 |
| フェデレーテッド型 | 専任+各チームがコントリビューション | 中〜大規模 |
| コミュニティ駆動型 | オープンな協調管理 | 大規模・OSS |
Step 6.2: KPI
| KPI | 説明 | 目標例 |
|---|---|---|
| 採用率 | DSコンポーネント利用率 | >80% |
| 一貫性違反件数 | DSから逸脱したUI数 | 月次減少 |
| 例外申請数 | DS外コンポーネントの例外申請 | <5件/月 |
| 修正リードタイム | バグ報告→修正の平均時間 | <5営業日 |
コントリビューションフロー・バージョニング・監査の設計が必要な場合に参照 → references/governance.md
Exit Criteria
- ガバナンスプロセスが運用開始されている
- KPIのモニタリング体制が確立されている
連携スキル
| スキル | 連携タイミング |
|---|---|
| web-app-designer | DSの成果物(原則・トークン・コンポーネント仕様)を入力として個別画面を設計する |
| mobile-app-designer | モバイル固有のDS拡張(タッチターゲット、プラットフォーム適応)を設計する |
| spec-gen | DS構築後、実装仕様書を生成する |
| architecture-reviewer | DSのアーキテクチャをレビューする |
注意事項
- DSは「プロジェクト」ではなく「継続的プロセス」として扱う
- 全フェーズを一度に完了しようとしない。Phase 1-2で十分な合意を取ってからPhase 3以降に進む
- web-app-designerが提供する個別デザイン実行(レイアウト・カラー・タイポの具体設計)はこのスキルの範囲外。本スキルは「設計の設計」に集中する
- 既存DSがある場合はPhase 1のUIインベントリからDS監査として開始する